今月のチャペルコンサートは、京都市交響楽団首席ヴィオラ奏者である小峰航一さんをゲストにお迎えすることになり、ブルッフとブラームスの作品を演奏します。
ブルッフは「ヴァイオリン協奏曲」が有名で、魅力的な旋律が親しみやすい作風ですが、彼が生きた時代にはすでに時代遅れとされ、他の作品は演奏される機会にあまり恵まれていません。今回演奏する「ロマンス」と「二重協奏曲」は1911年頃に書かれたものですが、これはR・シュトラウス「ばらの騎士」やストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」が作曲され、シェーンベルクは無調に到達していた頃と考えると、時代の流れに逆らった作曲家ともいえ納得させられます。でも、とても美しく心地よい響きは、現代の私たちを癒してくれるものと思います。
ブラームス「セレナード第2番」は彼が20代の時の作品で、管弦楽を用いた作品としては「ピアノ協奏曲第1番」に次いで早い時期のものです。この曲は、なんと管弦楽作品なのにヴァイオリンが入っていないんです!まさにヴィオラの魅力を感じていただくのにもってこいの曲となっています。
というわけで、なかなか聴かれる機会の少ない曲目ばかりですが、どっぷりロマン派音楽に浸れるコンサートとなっています。是非6月30日は天満教会にお越し下さいませ。
チャペルコンサートvol.397
京響首席ヴィオラ奏者 小峰航一氏を迎えて
6月30日 19時開演 天満教会
ブルッフ : ヴィオラと管弦楽のためのロマンス ヘ長調 作品85
ブルッフ : クラリネットとヴィオラのための二重協奏曲 ホ短調 作品88
ブラームス : セレナード 第2番 イ長調 作品16
yuco