バッハアカデミー関西
「第43回 教会暦によるカンタータシリーズ 」

バッハのカンタータが教会暦に沿って作曲されていることはよく知られていますが、礼拝当日に朗読される聖書の箇所に由来した主題に基づいた構成を持つことは意外に知られていません。

われわれにあまり馴染みのない聖書のエピソードも、バッハの音楽を伴って豊かに示されることで感銘も深まります。今回演奏される教会カンタータにはそれぞれ「山上の垂訓」や「息子をイエスによって救われた役人の話」などが下敷きとして用いられています。

日常あまり触れることのないカンタータにも極めて水準の高いものがあり、バッハの世界の深遠さに驚かされます。宗教改革を牽引したマルティン・ルターのコラールを基に精緻に構成された今回のコラールカンタータも、聴き逃せない佳品です。